ナチュラル志向

一昨日の日曜日にもホロウェーズのマーケットに出向く。一体地元のオージーは何が好きなのか?どんな物を好むのか?観察しようと思って隈なくその嗜好を追って見た。はっきい言ってケアンズの人はシドニーやメルボルンの人達とは同じオージーでも明らかにそのライフスタイルが違う。東京に住んでいる人と沖縄の人達とでは全然違うのと一緒でケアンズの人達の好みをもっと理解しなければならないと思った。


とは言ってもこの人達を相手にするという事は商売としてはかなり厳しいことは分かっているのだが。一言でいってケアンズの人のキーワードは「ナチュラル」、自然との同化がこの人達のライフスタイル。だからマーケットでも植物を買っている人が目立つ。こんなに回りに自然がたくさんあるのにと思ってしまうが、とにかく植物が好きみたい。うちのかみさんも買ってるもん。服も麻の素材を好む人が多い、とにかくナチュラル志向。


日本人は無類の買い物好きでこれは今までいろんな人種と接して来てよく分かる。ブランドが好きなのも日本人の特質でオーストラリア人とは明らかに違う。オーストラリア人は色や形、使う用途で物を選び自分が良いと思ったらそれが例えブランドで無くても構わない傾向が強い。特にケアンズの人はその典型的な例。インテリアにはお金をかけるけど服やバッグなどには無頓着な人が多いと思う。買い物も生活の中の延長線上で、買い物が趣味というのは極めて少ない。


たぶん、店に植物を飾りながら珈琲を出してレコードなんかかけた緩い店内で、しゃれたインテリアの小物や陶器を置いたりするのがその答えなんだろう。そこにクイーンズランダーなどの趣ある建造物と立地の景観がハマれば言うことは無いのだろうが。。 ケアンズの人にとっては雰囲気がとにかく重要なのは分かっている。
日本の亀の子だわしなんかを売ったりするのはどうだろうか?なんて考えたけど、何かこれだっ!ていう確信が持てない。ここに来てまさかこの人達を相手にするとは思わなかった。ケアンズの人を相手にするというのは本当に難しい。

唯一の希望が少しだけ

今の日本の感染状況を見ていると渡航再開はほぼ難しくなった感じ。クイーンズランド州の感染状況は殆ど 収まっているので、上手く行けば近い時期にオーストラリア全体では無くクイーンズランドと日本の渡航再開は、有りかなぁ。。なんて考えたけど今は無理だと悟った。


東京も引き続き凄い数でコロナの感染者が出ているけど大阪もここに来て歯止めが効かないように感染者が増え続けている。やっぱりうがい薬ではコロナは効かないかも? 心配なのは沖縄がここに来て感染者が一気に増えたこと。以前ケアンズで自分の部下だった奴が今、沖縄でペンションをやり始めたのだが、どうなっているのだろうか?


もはや感染症の予防にはワクチンしか手立てが無いのかもしれない。 希望の光としては英製薬大手のアストラゼネカ社のワクチンが日本国内向けに一億2千万回分の供給を受けられることが合意されたそうで、開発が成功すれば来年3月までに3千万回分が最初に投入されるのが今の唯一の希望の光。 まぁ、ワクチンが投与されたからといっても、じゃぁすぐに海外旅行に行けると言う訳では無いだろうから、状況が厳しいのは変わらない。


オーストラリアも依然としてビクトリア州はコロナが猛威を振るっていて、感染者の数は東京と殆ど変わらない状況だ。そしてニューサウスウェールズ州もシドニーのホットスポットから、とうとう州全体にボーダーの封鎖が拡大してしまった。唯一期待していた国内の上得意のお客さんも打ち止めになってしまい、まぁ、日本で言うなら東京と大阪のお客さんも失った感じでケアンズは今、ワライカワセミも笑わずに閑古鳥だけが鳴いている。

涼感

日本は暦の上では立秋、秋の気配が感じられるところだが、列島はようやく長かった梅雨が明けていよいよ夏本番という所 、お盆休みも近ずいて本来なら帰省ラッシュ等で慌ただしい頃だが今年は家で我慢の夏休みになりそう。本来なら自分たちもこれから一年で一番忙しい時期を迎えるはずだったが、今年は残念ながらいつものにぎやかな旅行客のシーズンは見送られてしまってた。残念だが仕方ない。


少しでも家で涼しさを感じたいときには、風鈴の音がさわやかな気持ちにさせてくれる。軒下に吊るした風鈴が風に吹かれながら優しく揺れて、その澄み切った音色で涼しさを届けてくれる夏の風物詩だが、今年もまたその厳しい暑さのみぎりを優しい風の音で和らげてくれる。耳にするだけで何故だか涼しさが伝わる不思議な風鈴、変わる時代の中でも残していきたい暮らしの知恵だ。


海外の風鈴は日本とはちょっと違って、楽器のような音色の美しさを表現する意味合いの方が強い。調律によって成り立つ金属棒の菅を調節しながら何本も並べて、異なった音同士を共鳴させることで美しい旋律の音色を作り出す、よくウインドチャイムと呼ばれている。アメリカのウッドストック社のウインドチャイムは特に有名かも。


ここクイーンズランドでもこだわりのウォークマンシップで、今でもこのウィンドチャイムを作り続けている工房がある。自然の中に感じるブッシュサウンドを木のチャイムを使ってそよ風の翼を伝えたいというコンセプトを掲げた「TUBULAR BELL 」というサンシャインコーストの田舎町ヤンディナという所に工房を構える言わずと知れたウィンドチャイムの名工だ。


ハ長調のコードを木の棒を調律しながら、風によって重なり合った音色を美しいハーモニーで奏でるこのチャイムは、コンピューターを使わずに全て手作業で作られる。代表的なウエストミンスター(祝宴の調べ)の他、ブルース調のチャイムや5つのメジャーコードの旋律を調和したマジェスティックというチャイムの傑作も揃える。日本の風鈴とはちょっと違った夏の涼しさが味わえるかも?


古来、日本では強い風は流行り病や邪気などの災いを運んでくると言われて来た、この災いの風を風鈴が知らせてくれると。また、気温の高い暑い時期は伝染病が流行りやすかったことから、魔除けの意味を持って飾られたという説もある。さらに音が似ていたことからスズムシが鳴く夏の間、風鈴は仕舞われたという趣のある話も。我々に涼しさを届けてくれる夏の風鈴、スズムシが鳴くこの季節だけでもさわやかな音色の下でコロナのことを忘れたい。