8月の空

ケアンズに最高の季節がやって来た!朝から雲ひとつない抜けるような青い空が広がる。
プールで朝日を浴びながら泳ぐ恍惚の心地よさに、水の中で身体が蕩けそうになっていくようで過ぎるはずの時間が暫し止まる。本当なら今頃は日本からたくさんの夏休みの家族連れが訪れるはずだったが。。


8月のケアンズは素晴らしい。湿度もなくカラッとした日が延々と続き実に気持ちいい。
もしこんな日が一年中続いたらこの町の人口はきっとシドニーを超えるだろうか?
そのシドニーが今、市中感染が広がって多くの地域で再び封鎖が始まってしまった。
クイーンズランドも今後の行方を注視しながらボーダーを再び封鎖する用意があると昨日ニュースで報じられた。


日本でも旧暦では8月は一年で最も空が澄み渡り、月が明るく美しい十五夜の観月の宴が催される特別な季節。ただ今年の日本は雨が多く、昨日は七十二候の土潤溽暑と蒸し暑い歳時どおりの便りになってしまった。本当ならこんなジメジメした陰候を吹き飛ばす夏の風物詩といえば何と言っても「花火」が浮かぶ。この花火、暑い時期に涼しさを味わう「納涼」意外にも慰霊や悪疫退散の意味もあり、是非ともここでコロナを大輪の大玉で散らしてほしい。


ただ、今年はこのコロナの影響で花火大会も殆ど自粛だと思うが、それなら線香花火でも風情があっていいかも。この花火は自分の想いを惹きつけて、咲いて散るまでの儚い美しさを表現してくれる夏の弄びとも。その様子は「松葉」から「牡丹」へ「柳」と移って最後は「散り菊」と風情溢れる身近な花火だ。我々も最後は散ってなくなるかもしれないけど、日本の皆さんにはいつか8月の吸い込まれそうなケアンズの青い空を是非見に来てほしい。