2020年5月のブログ記事

  • 先なのはどっち?

    17世紀頃に中国からヨーロッパに伝わったお茶の文化はフランスやオランダを通じてやがてイギリスに広く伝わって行く。紅茶好きのポルトガルのキャサリン女王がイギリス王室に嫁いだのがきっかけで貴族の間に流行、それがイギリス中に広がったと言われている。また、イギリスの冒険家、ロバート・ブルースがインドのアッ... 続きをみる

  • 夢の続き

    コロナウイルス感染の被害で今までの日常が失われつつ、ここケアンズの観光業は既に絶望感が漂い始める中で、時はちょうど今から100年近く遡り、ここケアンズから100キロほど南に下ったイニスフェイルという町のミナクリークという場所で、洪水のため壊滅した城を諦めずに絶望の淵から再び再建させた夫婦がいる。ホ... 続きをみる

  • あの翼を再び

    オーストラリアのバーミンガム観光大臣は国際線の運航について、年内での稼働は難しいと依然厳しい見方を示している。こんな中でスペインの政府観光局は7月から日本を含む外国人観光客の受け入れを発表した。ギリシャでも6月15日から観光客の受け入れの再開を目指すと発表、ここに来て俄かにこうした嬉しい動きが少し... 続きをみる

  • この先の自分

    自分の中でいつの日か木曜島を訪れたいと思っている。そしてその昔、日本人がこの場所を辿った歴史を確かめてみたい。荒涼とした中でひっそりと佇む先人の魂が宿る日本人墓地を訪れてみたい。そして、藤井翁の子孫の方に日本人のその辿っていった足跡を聞いてみたい。 藤井翁は豪傑で特にお金は羽振りが良かったと聞いて... 続きをみる

  • 続 日本人の足跡

    1931年に世界恐慌が起こると今までの真珠貝の特需による市場は一気に停滞して、その影響による余波が真珠採取のダイバーに直撃する。この衰退をきっかけに多くの日本人が解雇され、さらに時局は第二次世界大戦に突入し、オーストラリア政府は敵国人である日本人を逮捕、その後全ての日本人をポンポン船に乗せて、ニュ... 続きをみる

  • 日本人の足跡

    ケアンズからセスナ機を使って2時間ほど、クイーンズランド北東部の先端に位置するヨーク岬の35キロ沖に浮かぶ小島「木曜島」、ここに戦前から戦後にかけて真珠採取のダイバーとして暮らした一人の日本人がいる、司馬遼太郎の「木曜島の夜会」の主人公・藤井富太郎だ。和歌山県串本の出身で18才の時に一獲千金の夢を... 続きをみる

  • 慣れると癖に

    こんなまずい食べ物が世の中にあるのか?と思うほど強烈に凄い食品がオーストラリアのソールフードになっているものがある。ベジマイトという発酵食品だ。蓋を開けると黒いペースト状の見た目が黒バターみたいな感じの食べ物で、鼻に近ずけるとその鼻が曲がりそうになるほど思いっきり発酵臭が漂い、たぶん始めてこれを試... 続きをみる

  • 前進あるのみ

    オーストラリアの国章にはカンガルーとエミューが描かれている。どちらの動物も後戻りが出来ない。この動物たちが国章に描かれた理由はそのオーストラリアのスピリットに因んで「前進あるのみ」という建国から230年余りの若い国家なので前に前にというオーストラリア人の気質がこの国章の由来になった。身近なところで... 続きをみる

  • クイーンズランド・ナッツ

    先住民族のアボリジニーは、クイーンズランドの熱帯雨林に生えるマカダミアの実をキンダル・キンダル、ブーンベラ、ジンディル、バウパルと名付け、彼らの神典であるカラバリーという祭りの中で、その儀式の特別な贈り物として女性がこのマカダミアを祝宴の場に運んで御饌として使用したと伝えられている。それまでこの神... 続きをみる

  • 分断する社会

    19世紀の中頃、今から170年近く前のオーストラリアに伝説のギャングが存在した。この男の名前はネッド・ケリー、窃盗、強盗、殺人の悪行を繰り返してもなお、最も民衆に慕われた稀代のブッシュレンジャーである。ネッドが直面した当時の辺境社会の深い溝を今一度探ってみたい。1855年に服役されたアイルランド囚... 続きをみる

  • 楽しみがひとつ増えて

    いよいよアメリカのメジャーベースボールリーグも7月4日の独立記念日を前に無観客でのシーズン開幕が決まりそうだ。日本のプロ野球も6月19日の開幕を目指しているが、果たして開幕出来るか?スポーツ観戦の方も少しずつ楽しみが増え、是非、観戦する際には感染しないで頂きたい!?。そこで日本でも活躍した数少ない... 続きをみる

  • 貿易風に乗って

    この季節になると南緯30度ぐらいの亜熱帯から赤道にかけて、ゆっくりと地球の自転にあわせながら南東の方角に沿ってコンスタントに吹きあげる、トレードウインドと呼ばれる抜群に心地よい貿易風がこの辺りを極楽な気分にさせてくれる。風向きが恒に安定しているので古くから恒信風とも呼ばれていて、この地域に乾季の始... 続きをみる

  • 変わる世界観

    『今後、長い期間、暮らしの中でウイルスとの共存が必要になる。』多くの知識人が今、こうした見解の意見を提唱している。ウイルスとの共生を前提にした暮らしの生活様式が求められる。世の中は無機質なほど機械的、事務的に物事が 進められ、ふれあいは薄れて温もりは無くなっている。例えばオンラインによる会社の会議... 続きをみる

  • ワルチング・マチルダ

    移民の国であるオーストラリアの愛唱歌とも言えるこの歌は『自由と孤独と苦労の魂』を伝えたオーストラリア国民の心の歌だ。1895年に弁護士でジャーナリストであるバンジョーパターソン(オーストラリアの10ドル札に登場する人)がスコットランド音楽のメロディーに歌詞を施した行進曲で、歌詞に出て来る牧場主や警... 続きをみる

  • 満月の夜に

    端午の節句の昨日は二十四節気の立夏に当たる。暦の上では夏の始まり、そして明日の月は望の満月、ここから半月辺りの小満の頃まで万物の成長はその息吹きを長じて天地に満ち始めていく。ここ、ケアンズも朝夕が少しずつ涼しく感じられるようになり、日本の立秋に近いような小さな秋の気配を探る過ごしやすい季節に。 昨... 続きをみる

  • 幸せの青い蝶

    お店に行く道中で車の中からユリシスを見た。左から右に素早い舞を披露しながら瞬く間にフロントガラス越しの景色から何処へと消えていった。学名はパピリオユリシス、日本では「オオルリアゲハ」と呼ばれ、クイーンズランド北東部がらパプアニューギニア、果てはビスマルク諸島やソロモン諸島にも分布するアゲハ蝶の一種... 続きをみる

  • あったら教えて

    ニュースの冒頭は決まって最初に「新型コロナウイルスの影響で。。」と入り、続けて「今日の感染者数は。。」で次に「感染拡大に備えて。。」でこの後「人との距離を取って。。」で最後は「家にいて下さい。」と毎日こんなのがお経のように繰り替えされる。緊急事態宣言も延長される見込みで、今は鉄板の上で焼かれる「お... 続きをみる

  • 特別な時

    オーストラリア人にとって最も大切な日である4月25日のアンザックデイの行事は今年中止に。例年ならエスプラネード(海岸通り)を戦没者の慰霊と戦争のない平和な世界を願う目的で午前に関係者が行進、花束の贈呈や式典の演説が行われる。しかし今年はエスプラネードの式典中心の大砲が置かれた記念碑の場所に僅かな花... 続きをみる