前進あるのみ

windsurf

オーストラリアの国章にはカンガルーとエミューが描かれている。どちらの動物も後戻りが出来ない。この動物たちが国章に描かれた理由はそのオーストラリアのスピリットに因んで「前進あるのみ」という建国から230年余りの若い国家なので前に前にというオーストラリア人の気質がこの国章の由来になった。身近なところでは12角形で世界的に珍しい50セントコインのデザインの中のカンガルーとエミューが真ん中にある盾に併せてこの動物たちが両方から支えていて、その周りにWATTLEという黄色いアカシアの花が施されている。このデザインは1912年にイギリスのジョージ5世から贈られたものだが、前進し続けられるようにとの願いを込めて贈ったそうだ。 この中に描かれたカンガルーの名前の命名の由来が少し面白い。1770年にキャプテンクック率いる探検隊がオーストラリア大陸を調査していた時に先住民族のアボリジニーに「あの動物は何というのか?」と尋ねたところKANGURRUと応えたそうで、これは英語がさっぱり分からなかったアボリジニーがこの質問が何だったのか分からなくて「KANGURRU」とアボリジニー語の意味で「分からない」と答え、時のクック船長は「あの動物はカンガルーというのか!」と思い、それが今日のKANGAROOとして世に広まったということで、この話、もしご存じない方がいれば、ちょっとためになったのでは? 因みにコアラは何故「コアラ」というのかというとコアラは殆ど水を飲まない動物で、その水分の代わりになるものとして殆どを新鮮なユーカリの葉から摂取する。この「水を飲まない」という言葉がアボリジニー語でコアラというのだ。しかし、去年の暮まで8か月もの間、オーストラリアを襲った大規模な森林火災ではコアラが炎の熱さに耐えられず、人里まで来てペットボトルなどの飲み水を人間から貰おうとする光景をニュースなどで目にした人が多いのでは?自分も長いことオーストラリアにいるが、あの光景は初めて見るものだった。去年からオーストラリアはこの森林火災とコロナウイルス感染のダブルパンチで、本当に100年に一度かもしれない大殺界の時期になってしまった。この状況が終息した折には是非この試練に打ち勝った赤い大地に再びその足を踏み入れて頂きたい。